【展示作品について】
カナダ、モンゴル、ニュージーランド、アルゼンチンなど。これまでのさまざまな釣行で出会った人と魚のストーリーです。
東川アウトドアフェスティバル2016 土井 "Sohsuke" 雅史@SALT
2016年11月6日日曜日
2010年頃に撮ったものです。カナダのブリティッシュコロンビア州にある、スキーナーリバーという川で、季節は春。山奥のロッジに泊まってガイドさんに船でポイントに連れて行ってもらう、という旅でした。ロッジで出会ったのが、写真のキースおじいさんです。
イギリス人のキースおじいさんは83歳で、ほんとうによぼよぼという表現がぴったりなくらい。船に乗るのも周りの人の手助けが必要でした。ところが川に着くとシャンとして、きれいなループを描きながらフライを投げ、川の中に一人で立ち込んでシルバーサーモンやキングサーモンとやり合うんです。フライフィッシングはイギリス発祥の貴族の遊びです。キースおじいさんにも、そのイギリス紳士の筋の通ったたたずまいが漂っていて、83歳になっても元気に釣りをして楽しんでいる。逆光の少し曲がった背中を見ながら、こんなおじいさんになりたいなぁと思いました。
モンゴルでタイメンという、イトウの仲間を釣ったときのフライです。ウル川という川のタイメンは、アベレージが90cm、大きなものは2mを超えます。フライは狙う魚が食べているものに似せて作りますが、このフライはネズミを模していて、ボディは小型のタワシくらいの大きさがあります。
一度、地リスが川を泳いでいるのを見ました。ふわふわのしっぽまで入れると50cmほどの地リスのそばで「ガボッ!」という大きな音がしたと思ったら、ヘッドアンドテール(魚が弧を描いて、全身で水から飛び出す動き)で1m50cmくらいのタイメンが地リスを丸呑みしていくのを見て、呆気にとられました。
そのサイズのタイメンを、ガイドはバーブレス(外れ止めのない針)で釣れと言います。それでこそ、魚とフェアなやりとりができると言うんです。ですから写真のフライはすべてバーブレス。かかってからも、毎回特別の緊張感に溢れています。
一度、地リスが川を泳いでいるのを見ました。ふわふわのしっぽまで入れると50cmほどの地リスのそばで「ガボッ!」という大きな音がしたと思ったら、ヘッドアンドテール(魚が弧を描いて、全身で水から飛び出す動き)で1m50cmくらいのタイメンが地リスを丸呑みしていくのを見て、呆気にとられました。
そのサイズのタイメンを、ガイドはバーブレス(外れ止めのない針)で釣れと言います。それでこそ、魚とフェアなやりとりができると言うんです。ですから写真のフライはすべてバーブレス。かかってからも、毎回特別の緊張感に溢れています。
ニュージーランドの南島です。ニュージーランドの釣りでは、一日中こういう景色の中を歩きます。あまりに川が広くてポイントがないので、歩いて魚を探す「サイトフィッシング」という釣り方をするためです。
サイトフィッシングは歩きの釣りです。日本の釣りは魚がいそうな所を予想して仕掛けを投げます。ニュージーランドでは魚を見つけて、その魚を狙ってフライを投げます。魚がいたら、死角から抜き足差し足で近寄ってキャスト。少しでも気づかれたら、スッと逃げられてそれで終わりです。何時間も歩いていたのに、ワンミスで台無しになる。その悔しさったらありません。でも、こんな景色の中を歩いていれば、それだけでも気持ちいい、と思えてきます。本当に美しい所でした。
サイトフィッシングは歩きの釣りです。日本の釣りは魚がいそうな所を予想して仕掛けを投げます。ニュージーランドでは魚を見つけて、その魚を狙ってフライを投げます。魚がいたら、死角から抜き足差し足で近寄ってキャスト。少しでも気づかれたら、スッと逃げられてそれで終わりです。何時間も歩いていたのに、ワンミスで台無しになる。その悔しさったらありません。でも、こんな景色の中を歩いていれば、それだけでも気持ちいい、と思えてきます。本当に美しい所でした。
2013年のモンゴルのウル川でタイメンを釣っているところです。ウランバートルからチャーターヘリで3時間もとんだ先にあるポイントです。フライを投げると、毎日5回から10回のアタックがあります。それもたいてい1mオーバーの大型サイズ。ここでは浮くタイプのフライを使うことが鉄則です。ガイドは、沈むタイプのフライを使わせません。そんなことをしたらアタックは10回では済まないでしょうし、釣れすぎておもしろくないから、という理由です。
このツアーの費用は高額で、自分が参加できるようなものではないと思っていました。けれど、いつか行けたらいいな、だけじゃいつまでたっても行けない。そう考えて、思い切って参加しました。高い参加費を賄うためにがんばって働いて、気持ちのいい川でフライを振る。そのメリハリが、当時の自分にとってはとても大事なことでした。自分の中でもいろいろなことが変化した時期だったので、ウル川の旅には思い出がたくさんあります。
このツアーの費用は高額で、自分が参加できるようなものではないと思っていました。けれど、いつか行けたらいいな、だけじゃいつまでたっても行けない。そう考えて、思い切って参加しました。高い参加費を賄うためにがんばって働いて、気持ちのいい川でフライを振る。そのメリハリが、当時の自分にとってはとても大事なことでした。自分の中でもいろいろなことが変化した時期だったので、ウル川の旅には思い出がたくさんあります。
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